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Kaleidoscopes Japan
 


万華鏡という言葉、よく考えてみると本当に良くできた言葉です。
誰が考え出したのか、私にはわかりませんが、その響きといい、漢字の意味といい、最高のネーミングだと思います。このノスタルジックな響きを持つ万華鏡という名前から、日本で生まれたものと思っていらっしゃる方も多いようです。


しかし発明したのは スコットランドの光学研究者で、光学の研究、百科事典の編纂など学者として一生を過ごし、その功績により、サーの称号を国王から与えられたデヴィッド・ブリュースター卿という方です。
今から200年ほど前のことです。灯台の光を遠くまで届かせる研究の途中で思いついたという万華鏡。発明者自身は、アーティストではありませんでしたが、この発明が装飾芸術の分野で役に立つだろうと考えたようです。
でもこの魅力的な道具は多くの人の心を捕らえ、ヨーロッパ中のブームとなりました。 この新しい道具を、彼はギリシャ語の kalos(美しい) Eidos(形) Scopio(見ること) から Kaleidoscope という名前をつけました。
英語らしからぬ綴りはこのためです。
brewster

ヨーロッパで200年前に生まれた万華鏡は当時の人々に驚きと楽しさをもたらしました。たくさんの万華鏡が作られ、アメリカや日本にも伝えられました。
ヨーロッパではその後この人気も衰え、万華鏡は忘れ去られたかのようでした。アメリカや日本では子供のおもちゃとして万華鏡は作られ続けました。私たちが懐かしさを感じる紙筒の万華鏡です。

1970年代アメリカで、昔の万華鏡の魅力を見直し、工芸作品として生み出そうとする作家たちが出てきました。ステンドガラスや木、金属、アクリルなどを使った新しい個性的な万華鏡が作られ始めたのです。
これらの動きを大きなうねりに変えたのが万華鏡のファーストレディーと呼ばれるコージー・ベーカーさんです。最愛の息子を事故で失い、失意の中で出会った万華鏡が、彼女に生きる力を与えたといいます。
アメリカ中を探して万華鏡を売る店を訪ね、作家を探し、コレクターを訪ねながら、万華鏡に関る人々のネットワークを作りました。
Cozy Baker

まだコンピューターやインターネットなどが一般的でないこの時代に、アナログ的に自分の足でネットワークを立ち上げ、それが万華鏡愛好家のグループ 「ザ・ブリュースター・ソサエティー」 となりました。 そして世界で初の万華鏡展を主催し、すばらしい万華鏡の世界を世の中に知らしめました。

新しいアートとしての万華鏡は人々の心をとらえ、作家やコレクターも増え、扱う店も増えてきました。
すばらしい作品に啓発された作家は、さらに努力を重ね、進化します。
万華鏡の魅力が再発見され進化する大きなうねりとなったことを 「カレイドスコープルネッサンス」 と呼びます。

日本でも昔懐かしい万華鏡を知らない人はいないほどですが、新しい形での万華鏡、カレイドスコープは、十数年ほど前に紹介されて以来、見たこともない新しいアートとして人々に驚きをもたらしてきました。
万華鏡の普及に努める専門店、ミュージアムなどの努力により、日本でも少しずつコレクターや作家の方が育ちつつあることは大変うれしいことです。
また愛好家グループによる活動も行われるようになり、公募展や手作り教室などが盛んになり、ひとつのアート、ひとつの文化としての位置を築きつつあると思います。


 
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