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Kaleidoscopes Japan
 


知っているともっと分かるようになる「万華鏡のことば」ちょっと気になる「万華鏡のことば」を集めてみました。
万華鏡が生まれたのはスコットランド。現代万華鏡として生まれ変わったのがアメリカですから、言葉も英語からの表現を片仮名で使っていることが多いのです。
よく耳にする言葉にも、万華鏡で使われると特別な意味があったりします。

◆ カレイドスコープとテレイドスコープ
◆ ミラーシステム
◆ 映像・画像・イメージ
◆ 2ミラーシステムとポイント数
◆ 3ミラーシステムの映像
◆ 表面反射鏡
◆ オブジェクトセル(チェンバー)
◆ 黒い背景、白い背景
◆ 一点もの、限定版、非限定版そしてプロダクションタイプ
◆ テイパードという鏡の組み方
◆ プロジェクション万華鏡
◆ インターチェンジャブルな万華鏡
◆ 曼荼羅映像


【カレイドスコープとテレイドスコープ】
英語で万華鏡のことをKaleidoscope (カレイドスコープ)といいます。発明したデイヴィッド・ブリュースター卿の名付けた言葉で、ギリシャ語のKalos(美しい) Eidos(形) Scopio(見る)から来た造語です。
万華鏡が鏡の先にオブジェクトの反射する映像を見るのに対して、特定のオブジェクトなしに、鏡の筒の先にレンズのみがあり、回りの景色を万華鏡模様に映し出すものをTeleidoscope(テレイドスコープ)と呼びます。Telescope(望遠鏡)や Television(テレビ) で使われるようにTel というのは遠くのものとのつながりを表現しますので、遠くの景色を呼び込むテレイドスコープという名前は分かりやすいです。テレイドスコープを遠華鏡と名付けた方がいますが、なるほどと思う訳語です。


【ミラーシステム】
万華鏡には、光(ライト)と鏡(ミラー)と見るもの(オブジェクト)が必要です。
そして鏡の使い方でいろいろな種類の映像が生まれます。
その鏡の構造をミラーシステムと呼びます。
基本は三角形に組んだ鏡の筒で 、

◆ 3面がミラーのものを3ミラーシステム
◆ 2面がミラーで、残りの一面が黒など反射しない素材を使ったものを2ミラーシステム

と呼びます。
そのほかに、4ミラーシステム、テイパードミラーシステム、レクタンギュラーミラーシステムなどがあります。

【映像・画像・イメージ】
万華鏡が映し出す模様を、英語ではImage(イメージ)と言います。
日本語では「画像」とか「映像」とか呼びます。
日本語の「イメージ」とはちょっとニュアンスが違います。
 

【2ミラーシステムとポイント数】
2ミラーシステムは2枚の鏡面と1枚の反射しない素材の面で構成されるものです。映像は中心を持つ円状の映像で、まとまりのある完結したシンメトリーの美しさが特徴です。2枚の鏡をVの字状に合わせますが、その開きの角度によって、映像の種類が違ってきます。
完ぺきなシンメトリーを生み出すには、360度を等分割する角度が必要です。
角度の違いによって生まれる映像を区別するものがポイント数です。たとえば鏡を組む角度を30度としてみましょう。
万華鏡を覗いたときに見える実像は30/360ですから円の1/12になります。その映像の隣りあわせに対称の虚像が写りますが、この2つが一つのまとまりとして6回繰り返す映像となります。
星型にもみえる2ミラーの映像は、繰り返しのわかりやすい突起部分などを数えてポイント数とするのです。この場合は6ポイントの映像と呼びます。
 

奇数のポイント数では、こんな風になります。 例えば7ポイントの映像の場合、隣り合わせの実像と虚像の組み合わせが7回あるということですから、実像は 360度の1/14で、25.7142…度に鏡を組み合わせたことになります。作家さんは分度器で計ってミラーを組むのではなく、鏡を覗きながら、角度を決めますので、数字の上で割り切れなくても大丈夫です。
理論上は3ポイント以上、いくらでもポイント数を増やすことができますが、万華鏡の映像として楽しめるのは20ポイントぐらいまでです。 一番ポピュラーなのは5から10ポイントぐらいでしょうか。20ポイントですと、鏡を組む角度が9度ですから、覗きにくくなります。
ポイント数が増えれば全体の映像は細かく複雑になりますが、映りこむ部分が小さくなるため、オブジェクトの変化の度合いが少なめになる場合もあります。
 


【3ミラーシステムの映像】
昔懐かしいおもちゃの万華鏡のほとんどが、正三角形に組んだ3ミラーシステムの万華鏡ですが、ほかに2種類があります。このふたつは三角定規の形と同じです。

◆ 60°−60°−60°
◆ 30°−60°−90°
◆ 45°−45°−90°


これらは視野いっぱいに同じ映像の繰り返しが見え完ぺきなシンメトリーを生み出します。 
それ以外の三角形に組まれたミラーシステムはどんな映像になるでしょうか。三角形の一つの角が360度を等分する角度でありさえすれば、やはり映像はシンメトリーのように見えますが、そのほかの半端な角度が作り出す反射映像は、映りこまない部分もできます。



【表面反射鏡】
万華鏡に使われている鏡は、通常の鏡がガラスの裏に反射面があるのに対して、ガラスの表面に金属を施し、光が屈折することなく反射するようにしているものです。シャープな反射は美しい万華鏡映像を生み出しますが、この鏡は傷つきやすいので、カットする際も組み合わせるときも、扱いが難しくなります。 表面反射鏡がきれいに組まれていることが良い万華鏡の条件です。


【オブジェクトセル(チェンバー)】
細かいガラス片やビーズなどのオブジェクトを閉じ込めた入れ物をセル(あるいはチェンバー)といいます。オブジェクトセルにはドライセルとオイルセルがあります。オイルセルはセルの中にオイルを満たしてオブジェクトを入れたもので、回転を止めても内部でゆったりとした動きがあり、流れるような美しさを楽しめます。
ドライセルはオブジェクトが動いたりぶつかり合う音とともに、映像がくっきりと入れ替わる小気味よい展開を楽しめます。
 


【黒い背景・白い背景】
オブジェクトセル(チェンバー)の背景(バックグラウンド)の違いによって、見える映像に違った効果があります。背景というのはオブジェクトセルの底や奥に当たる部分です。
映像を見るためには光が必要ですが、その光を視線に対して真正面から受けるものと、オブジェクトセルの横から受けるものがあります。真正面から光を通すタイプは、その部分が半透明なすりガラスなどになっています。向こう側の景色は映さないけれど、光だけ取り込む仕組みです。
横から光を取り入れるタイプは、通常背景は黒く、セルの側面が透明になっています。特に2ミラーシステムの場合、この黒い背景は、映像が黒い面の中に浮かび上がるように見える効果があり、魅力的な映像になります。オイルセルとの相性が良いのも特徴です。
ガラスオブジェクトの透明感や重なりの面白さをより活かすのは、背景が白いタイプで、不透明なガラスオブジェクトやメタルワーク、ビーズなどをより活かすのは、背景が黒いタイプです。
黒と白以外にも、色ガラスやアートガラスを使うものがありますが、透明感があり、光を通すことが前提です。
 


【一点もの、限定版、非限定版 そしてプロダクションタイプ】
万華鏡作家が、そのデザインから製作まで手がけた作品で同じものを繰り返して製作しない場合、一点ものの万華鏡ということになります。オリジナルなアイディアを、持てる技術を尽くして創り上げる労作は、アート作品として美術館に飾られたり、熱心な愛好家のコレクションになったりします。それに対して、同じタイトルで同じスタイルのものを最初に決めた数だけ製作するのが、リミテッドエディション(限定版)です。厳密に言えば、使う素材の自然な模様や、オブジェクトの一つ一つは全く同じにはならないので、それぞれの万華鏡の個性は唯一のものであり、一点ものともいえます。 
数を予め決めないで、作り続ける作品が
オープンエディション(非限定版)です。
そして作家さんが、需要に応じて製作し供給してくれる作品が、
プロダクションタイプの作品です。部品などを大量に調達・加工できる製作過程を確立して生み出される作品で、多くの方の手に渡りやすい価格での販売が可能です。
万華鏡の価値というのは、覗く人が決めるものという考えもありますし、それはそのとおりだと思いますが、客観的な価値を判断する際に、この製作スタイルの違いも、その基準のひとつとなります。


【「テイパード」という鏡の組み方】
昔懐かしい万華鏡では、3枚の細長い長方形の鏡を三角柱のように組んでいます。その鏡を長方形ではなく、先細にカットして縦長の台形のようになった鏡を組んだものが、テイパードミラーシステムです。全体の形は三角柱ではなく、三角錐の先端を切ったような形になります。
そしてその驚くべき効果は、万華鏡の面白さや不思議さを感じさせるのに十分です。見える映像は球体が宙に浮いたり、画像がカーブを描いたりするのです。3D 映像を生み出すこのミラーシステムに、さらに工夫を加えて、思いがけないインパクトのある映像や、不思議な映像、迫ってくるような映像など、作家さんの個性を表現する作品がたくさんあります。
 


【プロジェクション万華鏡】
筒を覗いて見えるのが万華鏡の模様ですが、それをスクリーンや壁などに映し出す仕組みにしたものを、プロジェクション万華鏡と呼びます。その場にいる人と映像の楽しみを共有できる万華鏡です。


【インターチェンジャブルな万華鏡】
万華鏡は見る人が覗いて筒を回したり、オブジェクトセルを回さなければ、その意味を失います。見る人の参加する行為が前提となっているという意味でインタラクティブなアートであるという人もいます。さらにその参加を促すのが、さまざまな交換可能なパーツを提供している作品で、見る人の行為の幅を広げます。オブジェクトセルが開閉できるようになっていて、自分の好みのオブジェクトに入れ替えることができるもの、オブジェクトセルを数種類提供して、交換して楽しむもの、テレイドスコープにもなるように、セルを透明なレンズにも交換できるもの、ホイールを取り替えられるものなど、作家さんが映像を作る楽しみを、覗く人とも共有できるようにという想いで製作しているものです。
 


【曼荼羅映像】
万華鏡の映像をマンダラ(mandala)と呼ぶことがあります。曼荼羅は密教の宇宙観を表し、仏の世界を目に見える形で表したものと説明されます。
正方形や円など安定した図形を使い、確かな線と構成で緻密に作られた曼荼羅は、宗教の枠を超え、美術の分野や心理学の分野でも注目されてきました。万華鏡の映像にも曼荼羅に通じるものがあるといえるでしょう。中心があること、ポイント(方位)をもつこと、そしてシンメトリーであること。そういえば、曼荼羅の模様の小さな要素の連なりが大きなひとつの世界を表現するところも、ちいさな一片のオブジェクトがひとつの映像の中で重要な意味を持つ万華鏡映像と重なるような気がします。万華鏡の映像をマンダラと呼ぶのはこのような理由によると思われます。
曼荼羅に込められた意味、意図は深いものがあり、そこから何を感じるかは受け取る人によって、また語られる環境によって違うとは思いますが、確かに何らかのメッセージを受け取ることがあるのではないでしょうか。
ひとつの万華鏡映像はひとつの曼荼羅の世界、そして今ある美が壊れた瞬間から次の美が創られる一瞬の連続。変化し続ける曼荼羅の展開こそ万華鏡の魅力なのかもしれません。



 
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